チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団

モラヴィア伝統の響きを今も残す名門オーケストラが来日


 ドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェクで知られる音楽の国チェコは、大きくボヘミアとモラヴィアという二つの地域からなる。ブルノはチェコ第二の都市で、モラヴィアの中心都市。そのブルノからブルノ・フィルハーモニー管弦楽団が来日する。
 ブルノ・フィルの源流は19世紀末モラヴィア出身の作曲家ヤナーチェクの時代に遡ることができ、ヤナーチェク等の優秀な音楽家によりその基礎が築かれた。今日ではモラヴィアを代表するオーケストラとしてチェコの文化発信に貢献しており、共産圏時代を含めた60年余で国外のコンサートが700回を超えるなど、海外公演に強いオーケストラでもある。
 今回のプログラムはチェコを代表するスメタナ、ドヴォルザークの他、同じスラヴ系のチャイコフスキー、それにベートーヴェンというクラシックファンならよく知る作曲家&演目ばかり。同じスラヴ圏の若手注目株のアリョーシャ・ユリニッチが登場するチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、名手マシュー・バーリーをソロに迎えたドヴォルザークのチェロ協奏曲もあり、魅力的な選曲だ。「我が祖国」で扱うフス戦争の舞台にもなったモラヴィアのオーケストラがどのようにスメタナの連作交響詩を演奏するのかも興味がわくところ。率いるのは日本でも知名度の高い、ノイマン門下の名匠レオシュ・スワロフスキーで、得意とするエネルギッシュで心温まる演奏が今から楽しみだ。
文:山田真一
(ぶらあぼ2019年1月号より)

2019.2/9(土)水戸、2/10(日)長野、2/11(月・祝)新潟、2/13(水)八王子、2/15(金)、2/17(日)東京
2/16(土)川口、2/19(火)横浜、2/20(水)浜松、2/23(土)大阪、2/24(日)京都
問:光藍社チケットセンター050-3776-6184 
https://www.koransha.com/
※プログラムは公演により異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。