住谷美帆(サクソフォン) デビュー・アルバム『プロムナード』発売記念コンサート

 「これまでいなかった本格派女性クラシカル・サクソフォニスト、ついに登場!」の惹句を見て意外な気もしたが、確かにそうだ。名手はいるがクラシック系のソリストとなれば、この住谷美帆が現れるまではなかなかお目にかかれなかった。2018年に東京藝大を首席卒業した彼女は、在学中にN響ツアーの「展覧会の絵」のソロパートに抜擢され、18年7月にスロヴェニアの国際サクソフォンコンクールで初の女性優勝者となった話題の逸材。このほどデビュー・アルバム『プロムナード』(キングレコード)をリリースし、4月に発売記念コンサートを行う。プログラムは、ソプラノからバリトンまで4本の楽器を駆使した「展覧会の絵」、超絶技巧のカデンツァを含めた速吹きで驚嘆させるショパンの練習曲、美しい歌で酔わせるシューベルトの即興曲等のCDに収録された演目をはじめ、興味津々の楽曲ばかり。共演の12年浜松国際ピアノコンクールの覇者イリヤ・ラシュコフスキーのピアノも期待を盛り上げる。高い技術はもとより、しなやかな歌い回しと稀有の表現力をもつ住谷の演奏に、管楽器ファンならずともぜひ触れてみたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年1月号より)

2019.4/7(日)14:00 東京文化会館(小)
問:東京音協03-5774-3030
https://t-onkyo.co.jp/