【CD】ジーバー:リコーダー・ソナタ 全6曲 /小池耕平

 ウィーン出身、ローマやヴェネツィアで活躍したイグナツィオ・ジーバー(1688〜1761)。日本初録音となる6つのリコーダー・ソナタを通じ、謎に包まれたヴィルトゥオーゾ兼作曲家の実像に迫る。第1番の冒頭、聴き覚えある旋律に、「ん?」と反応する人も多いはず。ここを含め、実はヴィヴァルディら他者の作品からの借用も多い。これは当時、普通のことであり、むしろ、同時代の美学を抽出する、れっきとした創作行為だった。小池耕平の温かな音色と、しなやかなプレイは、忘れられた佳品に新たな魂を授ける。チェンバロの鴨川華子とチェロの山本徹によるコンティヌオも、推進力に溢れた快演だ。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年12月号より)

【information】
CD『ジーバー:リコーダー・ソナタ 全6曲 /小池耕平』

イグナツィオ・ジーバー:ソナタ第1番〜第6番

小池耕平(リコーダー)
鴨川華子(チェンバロ)
山本徹(バロック・チェロ)

コジマ録音
ALCD-1182 ¥2800+税

  • La Valseの最新記事もチェック

    • 映画『蜜蜂と遠雷』特集 | 直木賞作家・恩田 陸 インタビュー(2)
      on 2019/09/12 at 22:30

      interview & text:オヤマダアツシ photos:M.Otsuka/Tokyo MDE ピアノコンクールを巡るさまざまなことを克明に描く中で、音楽のもつ限りないパワーや、人の心の機微などを描いた『蜜蜂と遠雷』。原作者である恩田陸も絶賛する映画化が実現し、主要キャストである4人の俳優、さらにはそれぞれの演奏を担当したピアニストたちが早くも注目を集めている。後半では映画についての印象をお [&#8230 […]