高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


 年末「第九」は数あれど、ひと味違った楽しみを味わうならば、東京シティ・フィルの公演がお薦めだ。他との大きな違いは、期待の若手奏者をソリストに迎えた協奏曲が最初に演奏されること。今年は、2000年韓国生まれのイ・ユジンが、モーツァルトのオーボエ協奏曲を披露する。彼女は17年の日本管打楽器コンクールで第1位を獲得した逸材であり、曲は同楽器を代表する名作。ここは新春に向けて、未来を担う10代の妙技に耳を傾けよう。
 本編の「第九」は、話題の実力派ソリスト陣が要注目。知的で多彩な音楽性を誇るソプラノの半田美和子、ワーグナーを得意とし、マーラーの交響曲等でも絶賛されているメゾソプラノの池田香織、イタリア・オペラの主役で活躍しているテノールの宮里直樹、シカゴ・リリック・オペラで腕を磨き、近年日本でも熱い視線が注がれているバリトンの大西宇宙・・・と揃った国内トップ級の人気歌手たちが、フィナーレに精彩をもたらす。加えて、評価の高い東京シティ・フィル・コーアの合唱も聴きもの。今年も7月の飯守泰次郎指揮によるブルックナーのミサ曲等で実力を示した彼らの、全力の歌声も見逃せない。
 そして4年目を迎えた常任指揮者・高関健と東京シティ・フィルのコンビネーション。精緻な彫琢と堅牢な造型でオケをビルドアップさせる高関のもと、同楽団の技量は着実に向上し、定期演奏会でも手応えのある好演を続けている。ゆえに一年の集大成というべき「第九」でみせる進化への期待も十分。何より、常に音楽の最上の姿を追求する高関が、濃密な歓喜をもたらしてくれる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2018年12月号より)

第九特別演奏会 2018 
12/28(金)19:00 東京文化会館
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
http://www.cityphil.jp/

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