姉弟ならではの息の合った二重奏の魅力
近しい間柄ながら、二重奏の形では耳にする機会の少ないヴァイオリンとチェロ。2つの楽器だからこそ、紡ぐことのできる響きを、姉弟ならではの息の合った演奏で披露してくれる、印田千裕&陽介によるデュオ。7回目のステージも古今東西、多彩な作品を取り上げ、その魅力を掘り下げてゆく。
姉の千裕は東京藝大から英国王立音楽院に学び、邦人作品の紹介にも尽力。一方、やはり東京藝大からチェコ国立プラハ音楽院に留学した陽介は、ソロや室内楽、演劇との共演など幅広い活動を展開。共に国際コンクールでも実績を重ねた2人は、特に埋もれた佳品の発掘にも力を注ぐ。
今回は、ロンベルク「《フィガロの結婚》の主題による変奏曲」や、パガニーニ「協奏的二重奏曲第1番」など、19世紀のロマンティシズムとヴィルトゥオジティに彩られた作品を。さらに、ラヴェル「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」と近代、さらに、20世紀前半に活躍したオーストリアのバハリッヒ「二重奏曲」、現代日本から倉内直子「共振―呼応の相互作用」と、自在に時空を超えてゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年11月号より)
2018.11/27(火)19:00 王子ホール
問:マリーコンツェルト03-6914-2234
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