ドビュッシー没後100年 津田真理 ピアノ・リサイタル

変転するドビュッシーの美学に迫る

C)Minako Ishida
 没後100年のメモリアル・イヤーに、近代フランスの鬼才ドビュッシーが構築した、繊細な色彩にあふれた楽園に遊ぶ。津田真理は、魅力的で精力的な演奏活動を展開する実力派ピアニスト。「ドビュッシーの色彩」と題したリサイタルで、精魂が注がれた傑作に新たな命を吹き込む。
 桐朋学園大学を経て、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院やパリのエコール・ノルマルで研鑽を積んだ津田。ヴィオッティ国際コンクールなどで実績を重ね、欧州で数々の檜舞台を経験して、1989年に帰国。リサイタルやオーケストラ共演の一方、聴衆との対話を重視したレクチャー・コンサートにも力を注ぐ。
 ステージは、20代後半で書かれた「ベルガマスク組曲」で幕を開き、鬼才の創作人生を俯瞰。「版画」「喜びの島」「映像第1集」と作曲年代順に傑作を弾いて、40歳を過ぎて授かった愛娘に贈った「子供の領分」で締め括る。「自然、詩、想像力から産まれた繊細でふくよかな作品は、神秘的な美しさを秘め、聴く者の心を至上の楽園へと導きます」と津田は語る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年10月号より)

2018.11/6(火)19:00
JTアートホール アフィニス
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831
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