ベルリンRIAS室内合唱団

最高峰のハーモニーで聴かせるドイツ宗教音楽の真髄

C)Matthias Heyde

 合唱ファン待望! ベルリンの誇る老舗プロ合唱団が12年ぶりに来日する。
 ベルリンRIAS室内合唱団は1948年に西ベルリンのRIAS放送局専属として発足。ドイツ再統一を機に母体が解体したあともその名称を引き継いでいるが、現在は後継の放送局と国や市の傘下にある。その実力は世界最高レベル。録音も非常に多く、たとえば90年代に録音されたプーランクの無伴奏合唱曲集などは、現在もなお一頭地を抜く名盤だ。近年はヤーコプスら古楽演奏との共演も多い。精緻なハーモニーと整った声の魅力はもちろん、ただ美しいだけでなく、人間の声のあたたかさと力強さを兼ね備えた彼らの肉厚な歌声には、楽譜の表面をなぞるのではない、濃厚な情感がこもる。その長所が最も生きるのはやはり宗教曲だろう。西洋音楽の伝統の中で培われた多様な和声に彩色される深い祈り。今回はまさにそれ!
 J.S.バッハの有名な3つのモテット「主に向かって新しき歌をうたえ BWV225」、「来たれ、イエスよ、来たれ BWV229」、「イエス、わが喜び BWV227」を軸に、メンデルスゾーンの「3つの詩編 op.78」とブルックナーのモテット集という、4声から二重合唱の8声まで、18〜19世紀のドイツ宗教音楽の真髄を堪能できるプログラムを、合唱好きならば聴き逃せるわけがない。指揮は昨年就任したばかりの芸術監督・首席指揮者ジャスティン・ドイル。ウエストミンスター大聖堂の聖歌隊からキングズ・カレッジで学んだ生粋の英国の合唱指揮者だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2018年10月号より)

2018.11/2(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
http://www.operacity.jp/

他公演
2018.10/29(月)武蔵野市民文化会館(小)(0422-54-2011)