時空を超えて共鳴し合うピアノ曲たちの美
ドラマティックで雄大な表現と、色彩感豊かな音色で、聴く者すべてを魅了する実力派ピアニスト、今川映美子。「パリゆかりの作曲家たち」と題したリサイタル・シリーズ第3弾では、モーツァルトやショパン、ドビュッシーなど佳品の数々に、音楽への熱き想いを託す。
桐朋学園大在学中にウィーン国立音大へ留学、同大学院でも研鑽を積み、イタリアのサレルノ国際コンクールで最高位入賞を果たすなど、多くの登竜門で実績を重ねた。リサイタルやオーケストラとの共演など、精力的に活躍。変奏曲ばかり7曲を収録した『VARIATIONS』をはじめ、4枚のアルバムを発表し、いずれも高い評価を得ている。
今回は、完成に至った最後のピアノ・ソナタである第18番などモーツァルト2曲に、ショパンのソナタ第2番「葬送」を。さらに、19世紀の女性作曲家シャミナードの小品4曲、ドビュッシーを追憶したデュカス「牧神の遥かな嘆き」を弾いた後、ドビュッシー「喜びの島」を披露。今川の豊かな感性によって、時代を超えた作品が共鳴し合う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年10月号より)
2018.10/25(木)19:00
東京文化会館(小)
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