第16回 東京音楽コンクール 本選

新進演奏家たちの頂上対決を目撃する

昨年の本選の模様
C)堀田力丸

 才能ある若手音楽家を発掘し、その支援や育成を目指して東京文化会館や東京都などが毎年開催、これまで数多くの入賞者が世界の檜舞台へと羽ばたいている「東京音楽コンクール」。16回目となる今年は声楽・弦楽・金管の3部門が開催され、予備審査と2次にわたる予選を通過した俊英たちが、本選へ挑む。普段のステージとは一味ちがう、“真剣勝負”に立ち会える機会は貴重。お気に入りの若手演奏家を、いち早く見つけるチャンスでもある。
 東京文化会館が開館して4年後、1965年にスタートした「新進音楽家デビューオーディション」が前身。三善晃・元館長の提唱で拡充され、2003年に「東京音楽コンクール」と改称された。当初はピアノ・弦楽・木管・金管・声楽の5部門だったが、15年からは組み合わせを変えて3部門ずつ開催。参加者の国籍・居住地を不問とするなど、国際化も図られた。審査員には、総合審査員長を務める指揮者の小林研一郎をはじめ、作曲家の三枝成彰ら錚々たる顔ぶれが揃う。
 本選では、楽壇の未来を担う俊英たちが、現田茂夫指揮の東響(声楽)、大井剛史指揮の日本フィル(弦楽)、梅田俊明指揮の新日本フィル(金管)の共演を得て、瑞々しい演奏でしのぎを削る。また、客席からの投票で選ぶ「聴衆賞」も設けられているため、ちょっとした審査員気分も味わえる。入賞者は来年2月、角田鋼亮指揮の東京フィルとの共演で、改めて“お披露目”。その後も充実のバックアップ体制を受け、ステージで耳にする機会も格段に増える。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年8月号より)

声楽部門 2018.8/27(月) 
弦楽部門 2018.8/29(水) 
金管部門 2018.8/31(金)
各日18:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
http://www.t-bunka.jp/