クール&メタリックなサウンドで納涼気分
真夏の宵、清澄な音色が一陣の風のように吹き渡る。「きりく・ハンドベルアンサンブル」は、この楽器へ新たな可能性をもたらし続けている名手・大坪泰子が、管・打楽器の経験を持つ奏者らを結集して組織した精鋭集団。近年、好評のサマーコンサートでも、古今東西の名旋律を一糸乱れぬハーモニーで紡ぎ上げる。
掌サイズからバケツ大まで、数十個のベルを9人で担当し、ブロックを一つひとつ積み上げるような地道な作業を経てサウンドを構築する。「こんな曲も!?」と聴き手を驚かせる、ユニークな選曲も魅力。2004年にデビューコンサートを開いて以来、4度の海外公演も行い、「ハンドベル芸術の最高峰」と称えられている。
今回のステージは、“世界最古の楽譜”とされる、紀元前2世紀頃の「セイキロスの墓碑銘」で幕開け。ヴィヴァルディやプッチーニなどクラシックの名曲、ピアソラの「ブエノスアイレスの夏」、「道」などニーノ・ロータによる映画音楽の傑作、さらに超絶技巧が光るモンティ「チャールダーシュ」まで、多彩な名旋律を綴る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年8月号より)
2018.8/26(日)16:00
イタリア文化会館アニェッリホール
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638
http://www.millionconcert.co.jp/