日中平和友好条約締結40周年記念 蘇州交響楽団 演奏会

中国クラシック界最前線を行く新生オーケストラ

 2016年11月に設立されたオーケストラ、中国江蘇省蘇州市の蘇州交響楽団がこの夏、初の来日公演を開く。日中平和友好条約締結40周年を記念しての来日ということだが、新たに誕生したオーケストラが早くも海外ツアーを行うことに、中国のクラシック音楽界の勢いを感じずにはいられない。
 この蘇州交響楽団は蘇州市が中心となり民間と共同で設立したオーケストラ。団員はオーディションによって19ヵ国から集められたという国際派だ。本拠地は昨年完成したばかりの蘇州金鶏湖コンサートホールで、設計はあの永田音響設計が担当している。
 今回の来日公演では音楽監督の許忠のもと、陳其鋼の「五行」、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番(独奏は古澤巌、東京公演のみ)、ラヴェルのピアノ協奏曲(独奏は万捷旎(ワン・ジニー)、神戸公演のみ)、ドビュッシーの交響詩「海」他が演奏される。許忠はピアニストとしても活躍するほか、イタリア・カターニアのベッリーニ大劇場で芸術監督を務めるなど、欧州での実績も豊富。さわやかな新風、それとも強烈な熱風が吹き込むのだろうか。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2018年8月号より)

2018.8/12(日)18:00 サントリーホール 
2018.8/14(火)19:00 神戸国際会館
問:日本楽友協会03-6277-6521
  サンライズプロモーション東京0570-00-3337(東京公演のみ)