【CD】MISSING LINK of TOMITA 〜冨田勲 日本コロムビア初期作品集 1953-1974〜

 「ミッシング・リンク」とは、生物学で進化の過程にある間隙を指す。アコースティックからデジタル、そして両者の融合と、常に“進化”を続けた冨田勲の音楽創り。当盤は、教育現場向けの作品や草創期にあったテレビ番組の主題歌など、その最初期の知られざる作品を集成している。未だ“戦後”を感じさせ、なぜか懐かしさも胸に迫るモノラル作品から、サウンド構築の手法自体も立体感を帯びるステレオの時代、やがてモーグ・シンセサイザーという“武器”を得るまで。その進化の過程の一方、晩年の作品にも用いられた多くのモティーフが顔を覗かせるなど、その連続性も体感できる。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年7月号より)

【information】
CD『MISSING LINK of TOMITA 〜冨田勲 日本コロムビア初期作品集 1953-1974〜』

冨田勲:愉快な町の風船や、おいでよピーターパン、ブルースカイ、舞踊音楽劇「みにくいあひるの子」より、旅を行く、海底の幻想、うたのえほん、二つの橋、十羽の烏、ほたる、お月さまの見た話、春 春 春がきたよ、大雨の町、変化する自然 他

安田祥子(ソプラノ) ひばり児童合唱団 コロムビアオーケストラ 他

日本コロムビア
COCQ-85418 ¥3000+税