小曽根 真 & エリック・ミヤシロ “Jazz meets Classic” with 東京都交響楽団

バロックとジャズのいいとこ取りのステージ


 ジャズとクラシックのマリアージュを小曽根真がスリリングに演出する“Jazz meets Classic” with 東京都交響楽団。過去、ピーター・アースキンやゴンサロ・ルバルカバ等の超一流ジャズマンをゲストに迎えてきたこのコンサートに、今回はトランペット奏者のエリック・ミヤシロが登場する。
 自身の「EMバンド」をはじめ小曽根のビッグバンド「No Name Horses」、そして「侍BRASS」など八面六臂の活躍をするミヤシロ。そんな彼が今回挑むのは、なんとタルティーニのトランペット協奏曲(第1・3楽章)だ。「バロック音楽は奏者が装飾音をつけたりメロディを変えたりとアドリブの要素が強く、ジャズに近い」と語る彼が、あの技巧的な協奏曲をどのように料理するか、ジャズ、クラシックいずれのファンも見逃すわけにはいくまい。一方の小曽根は、「ラプソディー・イン・ブルー」と並ぶガーシュウィンの代表作「ピアノ協奏曲 ヘ調」を披露する。「これはガーシュウィンがはじめてオーケストレーションまで自分で手がけた曲。やりたかったことがてんこ盛りの1楽章、ブルースの2楽章に対し、3楽章はあっという間に終わってしまうので、アドリブを入れながら作曲者が言いたかったであろうことをふくらませて弾くのが好き」という言葉どおり、ジャズのスリルに満ちた演奏になるのは必至。指揮はエドウィン・アウトウォーターが務める。
 また第2部は、恒例のジャズ・セッション。互いの手の内を知り尽くした2人だが、それゆえの“うれしい裏切り”にも大いに期待できそうだ。
文:藤本史昭
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.9/29(土)17:00 東京文化会館 
9/30(日)15:00 オリンパスホール八王子
問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/