2018年10月に開催されるARK Hills Music Week 2018のオープニングを飾るコンサートシリーズ「サントリーホール ARKクラシックス」(主催:サントリーホール、エイベックス・クラシックス)の記者会見が5月14日に行われた。サントリーホール総支配人の市本徹雄、エイベックス・クラシックス・インターナショナル代表取締役社長の中島浩之のほか、ヴァイオリニストの三浦文彰、ピアニストの辻井伸行が登壇した。
(2018.5/14 サントリーホール ブルーローズ Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)
ARK Hills Music Weekは、アークヒルズが25周年を迎えた2011年にスタートした音楽イベントで、昨年までは「アークヒルズ音楽週間」という日本語の名称で開催されてきた。エリア内の居住者やワーカーたちに、街への愛着を深めてもらい、より魅力ある「音楽のある街」となることを目指している。今年は10/5(金)〜10/13(土)に開催。期間中は、アーク・カラヤン広場での無料コンサートなど、さまざまな催しが行われる。
同Music Weekのメイン・イベントとして実施されるのが、サントリーホールで4日間にわたり開催される「ARKクラシックス」。三浦と辻井という若き二人がアーティスティック・リーダーを務め、今後は毎年行われる。今年は、室内楽を中心とした全9公演が予定されている。幕開けは、三浦が川久保賜紀(ヴァイオリン)、レヒ・アントニオ・ウジンスキ(ヴィオラ)、ヨナタン・ローゼマン(チェロ)とクァルテットを組んでのドヴォルザーク:弦楽四重奏曲「アメリカ」、三浦&辻井のデュオによるフランクのヴァイオリン・ソナタなどが披露される前夜祭(10/5)。最終日には、さらに加藤雄太(コントラバス)が加わり、ショパンのピアノ協奏曲第2番(室内楽版)が披露される(10/8)。また、ユーリ・バシュメット(ヴィオラ)が手兵モスクワ・ソロイスツとともに出演するアフタヌーン・コンサートやガラ・コンサート(以上10/6)も注目される。コンテンポラリー・ナイト(10/7)には、フィリップ・グラス作品のデビューCDが話題を呼んだアイスランド出身の人気ピアニスト、ヴィキングル・オラフソンが登場する。出演は、他に遠藤真理(チェロ)、三浦友理枝(ピアノ)、ザ・ベース・ギャング(コントラバス四重奏)。なお、期間中、アーク・カラヤン広場にはスクリーンが設置され、「ARKクラシックス」の公演は、パブリックビューイングという形で同時中継され、無料で楽しむことができるという。
三浦は、「10年くらい前からヨーロッパで室内楽を演奏する機会が多くなり、いつか日本でもこうしたフェスティバルができたら良いなと思っていました。東京のど真ん中にある素晴らしいサントリーホールで室内楽を演奏して皆さんで盛り上がれたらと思っています。共演するヨーロッパの仲間も非常に楽しみにしてくれています」と期待を述べた。室内楽の演奏においては、演奏する時間だけでなく、お互いを知ることが大切だという。辻井については「本番での集中力が凄い」と語る。
一方、プライベートでも三浦と食事やカラオケを楽しんでいるという辻井は、ソロ・リサイタルでは、サティ、ラヴェル、ドビュッシーというフランスものを披露する(10/6)。室内楽を軸に据えた今回のイベントについては、「こういう企画が実現して嬉しいです。普段、オーケストラとの共演は多いのですが、室内楽にはそれとは違った楽しさがあります。少ない人数で音楽をつくるので、それぞれがどう弾きたいか考えて、お互いの楽器の個性を出し合っていく。そういうことをぜひ皆さんに伝えていきたいと思います」と述べた。
なお、ARK Hills Music Week全体のイベントの詳細は、8月中旬に発表される予定。
■ARK Hills Music Week 2018
10/5(金)〜10/13(土)サントリーホール、アーク・カラヤン広場ほか近隣のホテル、美術館、大使館など
■ARKクラシックス
10/5(金)〜10/8(月・祝) サントリーホール 大ホール&ブルーローズ(小)
サントリーホール
http://suntory.jp/HALL/
エイベックス・クラシックス
http://avex.jp/classics/