隠れた名曲を美しい音色で紡ぐ
“レジェンド”が紡ぐ妙なるサウンドで、音楽史の1ページをひともく——。一昨年まで45年の長きにわたり名門ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めたライナー・キュッヒルが、日経ミューズサロンへ登場。日本では演奏機会に恵まれない“隠れた名曲”を選りすぐって紹介する。
21歳の若さでウィーン・フィルと同歌劇場管弦楽団のコンサートマスターに就任し、一昨年に惜しまれつつ勇退。しかし、ソリストとしては、引き続き精力的な活動を続け、毎年来日するウィーン・リング・アンサンブルのリーダーも務め、わが国でも数多いファンを喜ばせている。
ピアノは、ウィーンでのベートーヴェン・ソナタ全曲演奏など、キュッヒルと国内外で共演を重ねる加藤洋之。第二次大戦下のドイツという時代を生き抜いたプフィッツナーのソナタを軸に、イザイ編曲によるサン=サーンス「カプリス」、クライスラーの小品やR.シュトラウス《ばらの騎士》からのワルツ、ドヴォルザーク「ロマンティックな小品」と多彩に披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年6月号より)
2018.6/29(金)13:30 18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5281-8067
http://www.nikkei-hall.com/