エキサイティングで多彩な味のアメリカン
東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)の2016年6月定期における演奏会形式の歌劇《トゥーランドット》は、吹奏楽史上画期的な成功を収めた。その立役者が世界的指揮者キンボー・イシイ。欧米を中心に活躍し、現在ドイツ・マクデブルク劇場の音楽総監督を務める彼が、来る6月の同楽団定期に再び登場する。
今回は、1986年に渡米した彼の地元ともいえるアメリカの作品集。まず、雅楽や「さくら さくら」の旋律とモダンな響きを融合させたグランサムの「舞楽」(2005年TKWO委嘱作品)で、満場の耳を惹きつける。次いでTKWO副コンサートマスターの丸田悠太がソロを吹く、リーバーマンのピッコロ協奏曲。これは約25分もの大作で、第1、2楽章では玲瓏な美、第3楽章(思わぬ旋律も出現)では軽妙な快奏を満喫させる。そしてバーンスタインのミュージカル「オン・ザ・タウン」「ウェストサイドストーリー」の音楽で、ダイナミックな躍動感を聴かせる。キンボーの劇的な表現と世界トップ級のサウンドで、胸弾む午後のひとときを!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2018年6月号より)
第139回 定期演奏会
2018.6/23(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556
http://www.tkwo.jp/