神戸市室内管弦楽団 第143回 定期公演

2人の名手を迎えて4つの世紀の傑作を

 今年4月、神戸市室内合奏団から楽団名を改め、新たな飛躍を誓った「神戸市室内管弦楽団」。6月の定期演奏会では、ゴットリープ・ヴァリッシュ(ピアノ)とイエルーン・ベルワルツ(トランペット)、2人の名ソリストを迎えて、チャイコフスキーをはじめ、ロシアの作品を軸に披露する。
 今回は、帝政ロシア初の国際的芸術家であった、チャイコフスキーの傑作「弦楽セレナード」を軸に、ストラヴィンスキー「弦楽のための協奏曲」とショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」、次代に輝くふたつの巨星の佳品を併せて。さらに、チャイコフスキーが好んだイタリア音楽から、バロック期の巨匠トレッリの「トランペット協奏曲」を添える。
 ショスタコーヴィチを弾くヴァリッシュは、ウィーン出身でジュネーヴ高等音楽院教授も務める名手。一方、トレッリを吹くのは、幅広いクラシック作品のみならず、ジャズでボーカルまでこなすベルギー出身の才人ベルワルツ。2人の名手が、覇気あふれる精鋭集団と、どう共鳴するのか。大いに楽しみだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年6月号より)

2018.6/9(土)14:00 神戸文化ホール(中)
問:神戸市民文化振興財団 事業部 演奏課078-361-7241
  神戸文化ホール プレイガイド078-351-3349
http://www.kobe-ensou.jp/ensemble/