1498年に創立され、520年の歴史を持つウィーンの“音楽大使”として世界中で親しまれているウィーン少年合唱団が今年も来日。4月28日から始まる全国ツアーに先駆けて、4月24日に都内で記者会見が行われた。
記者会見には、合唱団の芸術監督を務めるゲラルト・ヴィルト、カペルマイスターのジミー・チャン、今回公演を行うハイドン組、そして松坂喜幸(キャノンマーケティングジャパン株式会社 取締役 専務執行役員)と二瓶純一(株式会社ジャパン・アーツ 取締役社長)が登壇した。
(2018.4/26 都内 Photo:S.Ito/Tokyo MDE)
今回は約2ヶ月間に渡り、全国各地で公演を行う。5月3日、4日にサントリーホールにて行われる公演では鈴木優人をゲストに迎え、パイプオルガンで合唱団と共演をすることが発表された。
ウィーン少年合唱団の芸術監督ゲラルト・ヴィルトは「毎年来日できていることは、私個人だけではなく、合唱団全体としても非常に喜ばしいこと。心から感謝しております。今年は“アニバーサリー”の年。ハイドン組が創立40周年、カペルマイスターのジミー・チャンも40歳。そして彼(ジミー・チャン)が生まれた年に私がハイドン組のコーラスとして初来日したのです。
また合唱団のメンバーは世界中から集ってきているので、グローバルな世界を皆様にお届けできるのでは。合唱団としての目的、“心を動かす、人を動かす” そんなパワーを皆様に与えられればと思っています」と語った。
カペルマイスターのジミー・チャンは「創立40周年を迎えるハイドン組とともに、私にとっては2回目の来日が出来たことを心から感謝しております。前回の来日で印象に残っているのは、日本の聴衆の皆様の素晴らしさです。私達が音楽を通して喜びを届け、その聴衆の皆様の反応が、私たちに喜びとして返ってくることは素晴らしいことです」と述べた。
今回の2つのプログラムについて、「Aプログラムは『動物の世界』をテーマにしています。動物に関する歌を歌うことは想像力をふくらませるし、子どもたちにもとっても、嬉しいこと。また、動物に関する歌は7ヶ国語で歌っていて『グローバルな世界をつくりあげる』私たちにとってぴったりなテーマ。Bプログラムは『世界の歴史・音楽』。様々な作曲家の歌を歌っており、合唱団の伝統や歴史、世界について歌を通じてわかる教科書のようなもの。300年前から現代の曲まで歌うので、絶え間なく続いてきた音楽の歴史がわかると思いますし、今までの歴史に対しての尊敬、現代に対して希望を抱いている、まさに『全世界を抱きしめている音楽』ということを伝えていると思います。
またプログラム中3曲は演出つきですので、そちらも楽しみにしていただければと思います。音楽を通じて喜び・幸せを届けるられることを願って止みません」と話した。カペルマイスターに就任したきっかけについては、「今年でウィーン生活は17年目です。以前、ウィーンの大学でピアノと指揮を勉強していました。その後ドイツにてオーケストラやオペラの勉強もしましたが、家族ができ、またウィーンに戻ることになったのが5、6年前。その時にヴィルト先生、ウィーン少年合唱団とお仕事をする機会に恵まれ、カペルマイスターに就くことになりました。今まで勉強してきた指揮やピアノ、声楽、そして父親として“若者を育てたい”と思っていたことをこの仕事で活かせることができ、非常に幸せです」と語った。
会見の後には、ハイドン組とジミー・チャンのピアノにより「となりのトトロ」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」の2曲が披露された。
ウィーン少年合唱団 2018年日本ツアー特設サイト
http://www.japanarts.co.jp/wsk2018/index.html