刺激的な“愛と官能”のサウンドを
ヴァイオリン石田泰尚、ピアノ&ヴォーカル中岡太志、サクソフォン松原孝政。クラシックをバックグラウンドに持つ3人の名手が、その枠に捉われることなくマルチな領域で活動する「トリオ・リベルタ」。今年10周年を迎える「川崎・しんゆり芸術祭(アルテリッカしんゆり)」(4/21〜5/13)に出演する。
「アルテリッカしんゆり」は小田急線・新百合ヶ丘駅を中心とする川崎市麻生区周辺を会場に、毎年ゴールデン・ウィークをはさんだ日程で開かれるアート・フェスティバル。昭和音楽大学や日本映画大学、さらには日本オペラ振興会(藤原歌劇団・日本オペラ協会)や劇団民藝などが本拠を置く土地柄を反映して、オペラ、コンサートから、バレエ、演劇、伝統芸能、落語まで幅広いプログラムが繰り広げられる。年を追うごとに規模を拡大し、今年は31演目40公演。開催初年は8人だった市民ボランティアも約200人まで増え続け、地元住民にも密着したイベントとして定着している。
2014年以来連続出演して、このフェスの顔のひとつになりつつあるトリオ・リベルタ。もともとは00年に、ピアソラを演奏するために結集した3人だが、タンゴにとどまらず、この変則的な編成であらゆるレパートリーをバリバリ弾く。今回は「愛と官能」がテーマ。彼らのルーツであるピアソラから、シャンソン、マーラーやラフマニノフまで、お行儀よく並んだ音符を聴くのとは違う、クールでエロスと官能に満ちた世界に浸らせてくれるはず。スタンディングも歓声もありだろう。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2018年5月号より)
2018.4/30(月・休)14:00 麻生市民館
問:アルテリッカしんゆりチケットセンター044-955-3100
http://www.artericca-shinyuri.com/