異才たちのピアニズム ――ピアノ音楽の本質を伝える才知との邂逅 トーマス・ヘル

ドイツが生んだ異色のヴィルトゥオーゾが帰ってくる!

C)藤本史昭
 トッパンホールが開催している「異才たちのピアニズム——ピアノ音楽の本質を伝える才知との邂逅」。音の繊細な立ち上がりと伸びのよさを伝えるトッパンホールが、確固たる理念と高度な音楽性をもち、伝統とアカデミズムに裏付けられたピアニストとの出会いをもたらしてくれるコンサートシリーズだ。
 第3回に登場するのはトーマス・ヘル。リゲティ作品の演奏で「知性とヴィルトゥオージティの両面を兼ね備えている」とブレンデルから賞賛され、2016年6月には日本の聴衆を驚愕させたヘルが、ふたたびトッパンのステージに帰ってくる。
 曲目はシューマンの「クライスレリアーナ」と、アイヴズが引用やクラスターといった音楽語法を用いた彼の代表作「ピアノ・ソナタ第2番」(通称コンコード・ソナタ)という、かなり異色の取り合わせ。ヘルの朗然たる知的処理に基づく叙情性が、19世紀と20世紀の二つの傑作の結びつきを発見させてくれることだろう。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2018年4月号より)

2018.4/19(木)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 
http://www.toppanhall.com/