ベルリンフィル 12人のチェリストたち

15回目の来日公演は“12人”の集大成

Photo:UWE ARENS

 もうどのくらい日本でコンサートを行い、どれだけの曲を私たちに聴かせてくれ、私たちを楽しませてくれたことだろうか。それでもなおアグレッシヴにレパートリーを開拓し、躍動感にあふれた演奏を聴かせてくれるのが「ベルリンフィル 12人のチェリストたち」だ。15回目の来日となる今回、サントリーホールで行われる公演は昼夜の2回。しかもプログラムが異なるため、1日で二度おいしいスペシャル公演になる。
 まず昼の公演は、活動初期に彼らのシンボル曲となったクレンゲル作曲の「讃歌」からスタート。ヴィラ=ロボスがチェロ・アンサンブルのために書いた「ブラジル風バッハ第1番」(この中から昼公演と夜公演で違った曲をセレクト)、このグループのために作られたカイザー=リンデマンの「ボサ・ノヴァ」、三枝成彰の編曲による日本民謡やビートルズ・ナンバー、そしてアストル・ピアソラの曲などが披露される。
 夜の公演は、美しく独特な味わいをもつプーランクの曲にはじまり、映画『タイタニック』のテーマ曲やジャズのスタンダード・ナンバーを聴かせた後、フォーレやシューマン、ショパンなどの曲へ。言うまでもなくすべてが手の内に入った作品であるため、同じチェロという楽器の集合体であるのに、オーケストラを聴くがごとき色彩を楽しめるはず。圧倒されたり、思わず笑顔になったりすることだろう。
 来日公演は毎回完売となるため、心してチケット入手を。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2018年4月号より)

2018.7/8(日)14:00 18:00 サントリーホール
問:ノア・チケット03-3417-7000 
http://www.nikkei-events.jp/