マルク・ミンコフスキ(指揮) レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル

マルク・ミンコフスキ
C)Marco Borggreve

この2月、マルク・ミンコフスキがピリオド楽器のオーケストラ、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルを率いて来日し、メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」、交響曲第3番「スコットランド」・第4番「イタリア」を演奏する。
バロックから20世紀初頭まで彼らのレパートリーはひろく多彩だが、メンデルスゾーンは珍しい。昨年夏、東京都交響楽団に客演した際にその話をしたところ、とても楽しみにしていると満面の笑みを浮かべた。目下メンデルスゾーン交響曲の全曲録音を準備しているのだという。もちろんミンコフスキ自身はこれまでにもゲスト指揮者としてモダンのオーケストラとメンデルスゾーンを演奏している。でも、意外にも「イタリア」は初めてなのだそうだ。彼にはそういうことがよくあるらしい。何事も固定観念にとらわれないので、ただ“名曲だから”と言う理由で取り上げることはないのだ。逆にミンコフスキによって知られるようになった作品は数知れない。そして彼らが演奏すると、誰もが知る有名曲であっても初めて聴くような新鮮な感銘を与えてくれる。生き生きとした情感、溢れんばかりのエネルギーとともに。その秘訣を尋ねると、彼はこう答えてくれた。「どんな物事も明晰に伝えたいだけなんですよ。目一杯直感を働かせて、作曲家が楽譜に書いた指示をひたすら丁寧に読み取っていくのです」。
メンデルスゾーンのスコアからどんな音楽を引き出してくれるのか。公演が待ち遠しい。
文:那須田 務
(ぶらあぼ2018年2月号より)

2018.2/27(火)19:00
東京オペラシティ コンサートホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp/


他公演
2018.2/26(月)石川県立音楽堂(076-232-8632)