英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 『眠れる森の美女』『リーズの結婚』

伝統に彩られた様式美を堪能


 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が3年ぶりに来日、英国らしさ満載の2作品を上演する。
 日本公演の幕開きを飾る『眠れる森の美女』は、長らく芸術監督を務め、同団の世界的評価を高めたピーター・ライトの振付による。帝政ロシアで育まれた古典バレエを基盤に発展したお国柄ゆえ、チャイコフスキーの音楽を用いたこの不朽のバレエは、バーミンガムでも重要なレパートリーとして踊り継がれているのだ。美技をちりばめた振付に絢爛たる美術やマイムを多用した演出で、往時のバレエの栄華を見ることができる。
 アリーナ・コジョカルがオーロラ姫役に客演するのも眼目のひとつ(5/18, 5/20)。英国ロイヤル・バレエ団で大輪の花を咲かせ、現在はイングリッシュ・ナショナル・バレエに籍を置く英国の至宝が、久々に日本の舞台で古典の全幕ものに主演する。
 『リーズの結婚』は、英国ロイヤル・バレエ団の育ての親、フレデリック・アシュトンが振り付けたロマンティック・コメディの逸品。箱入り娘リーズが、彼女を裕福な御曹子と結婚させようと奮闘する母親を出し抜いて、恋人コーラスとゴールインするまでを描いていく。アシュトン独特の細やかなステップに彩られた振付と軽妙洒脱な語り口で、また味わいの異なる英国スタイルを堪能したい。
 この演目にも旬の逸材をゲストに迎える。パリ・オペラ座バレエ団のマチアス・エイマンが、コーラス役を演じるのだ(5/25,5/27)。リーズ役にお目見えするのは、ローザンヌ国際バレエコンクール入賞を機にロイヤル・バレエ・スクールに学び、バーミンガムでプリンシパルに昇りつめた英国育ちの平田桃子。心踊るキャスティングである。
文:上野房子
(ぶらあぼ2018年2月号より)

『眠れる森の美女』
2018.5/18(金)〜5/20(日) 東京文化会館 
2018.5/13(日)14:00 びわ湖ホール
『リーズの結婚』 
2018.5/25(金)〜5/27(日)東京文化会館

東京公演 1/20(土)発売
※全国公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:NBSチケットセンター03-3791-8888(5/13以外) http://www.nbs.or.jp/
  びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136(5/13のみ) http://www.biwako-hall.or.jp/