ホルンの魅力を味わい尽くす一夜に
卓越した美音とテクニック、しなやかな音楽性を武器に、若くして読売日本交響楽団の首席ホルン奏者に就いた日橋辰朗が、東京オペラシティのリサイタルシリーズ「B→C」に登場。バッハから現代まで、彩り豊かな作品を通じて、「ホルンでもこんなことが出来るんだという演奏を目指して、頑張っていきたい」と意気込む。
「ホルンは、オーケストラのカラーに大きな影響をもたらす楽器。音符ひとつで人を感動させられる音色を、常に目指しながら演奏しています。そして、金管特有の華やかな音から、木管楽器のような柔らかく豊かな響きまで、音色の種類がたくさんあるのも魅力。特にソロ演奏では、こうした表現の幅が生きてくると思います」
1988年、東京都出身。中学のクラブ活動でホルンを始め、東京音楽大学在学中に第26回日本管打楽器コンクール、卒業の翌年には第80回日本音楽コンクールを制した。2013年4月に日本フィルハーモニー交響楽団に入団し、同年10月には首席奏者に。15年4月に読売日本交響楽団へ移籍し、首席奏者を務めている。
リサイタルでは、まず「ホルンでの演奏は容易でなく、自分への挑戦との意味合いも…」という、バッハの「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番」を。そして、ヒンデミットとケーラー、マドセンのソナタ、R.シュトラウスの父フランツの手による「オリジナル・ファンタジー」、キルヒナー「3つの詩曲」を披露。とりわけキルヒナーは「現代的な奏法も数多く盛り込まれていて、きっと楽しんでいただけるはず」と語る。ピアノは松岡美絵。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年2月号より)
2018.2/20(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp/