野尻多佳子 ピアノリサイタル 永遠なるものに〜My Passion〜

ピアノ・ソナタの“王道”を極める

Photo:JUNKO TOMIYAMA

 繊細な感性で紡がれてゆく旋律が、時空を超えた旅へと誘う。日本はもちろん、ドイツやオーストリア、スイスなど海外でも演奏活動を展開する実力派ピアニストの野尻多佳子。「永遠なるものに〜My Passion〜」と題したリサイタルで、ベートーヴェンの3曲とリスト、4つの名ソナタを取り上げる。
 大学在学中からソロやオーケストラ共演、室内楽などの演奏活動をスタートした野尻。ヨーロッパやアメリカの名手たちとも、共演を重ねてきた。特に、個々の楽器が持つ特有の音色へ大きなこだわりを感じさせる演奏スタイルに、個性を反映。「コンサートでは、音楽を通じて、心が通い合うような時間を作り出せたら」と話す。
 今回は、まず、第23番「熱情」に第21番「ヴァルトシュタイン」、第14番「月光」とピアノ・ソナタの“王道”とも言うべきベートーヴェンの作品を披露。そして、ピアノの巨匠唯一のソナタにして、ソナタという枠組みそのものを打破しようとした野心作で、発表当時は賛否両論を巻き起こした、リストの傑作「ソナタ ロ短調」を弾く。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年1月号より)

2018.2/12(月・休)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問 CSPC(文化発信促進委員会)03-3455-6881
http://cspc-japan.com/