PIANO EPOCH 佐藤祐介 新ピアノリサイタルシリーズ Vol.3 バッハ一族とBACHへのオマージュ

“バッハ家”の遺産とトリビュート作品と

 大胆かつ繊細、時空を超えた先鋭的なアプローチを続けるピアノの佐藤祐介。リサイタル・シリーズ「PIANO EPOCH」の第3弾で、バッハ一族の作品に、現代の邦人作曲家3人を含めた、後世の作曲家によるオマージュを交錯させ、「現在(いま)の音」としての再構築を目指す。15歳でバッハの「フーガの技法」などを取り上げたステージでデビュー、演奏のみならず、作曲分野でも活躍する佐藤。
 今回は、「フーガの技法」から「コントラプンクトゥス第14番」を幕開けに据え、長男フリーデマンの「幻想曲ホ短調」、二男エマヌエルの「ヴィルテンベルク・ソナタ第3番」、末息子クリスティアンの「ソナタ ハ短調」と、バッハ一族の作品を配した。ここへ、リストとオネゲル、イタリアのアルフレード・カセッラによる3つの「BACHの名による」作品、さらには伊藤巧真と窪田隆二への委嘱作の世界初演、湯浅譲二の佳品を交えて、多彩な響きの世界を現出。現代に生きる存在として「バッハ一族」を昇華する、知的で野心的な試みだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年1月号より)

2018.1/9(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:カメラータ・トウキョウ03-5790-5560 
http://www.camerata.co.jp/