望月哲也 シューベルト三大歌曲シリーズ 第2回 「美しき水車小屋の娘」

ギター伴奏で際立つ美声と情感

C) 北山宏一

これは聴かなければ! 美声のリリック・テノール望月哲也の「美しき水車小屋の娘」。今年2月に福田進一との「冬の旅」でスタートした、ギター伴奏によるシューベルト三大歌曲集シリーズ第2弾だ。「冬の旅」もいいが、やっぱりテノールは「水車小屋」がよく似合う。公演に寄せた本人のコメントには「若い頃からフリッツ・ヴンダーリヒの録音をよく聴き、この曲を歌うことをひとつの目標として、日々の勉強を続けてきた」とある。まさにそれ! しかもこまやかで繊細な感情表現を考えれば、望月の声は、かの不滅の名テノールにまったく引けを取らないだろう。勇気を出して言えば、望月のほうがいいかもしれない。しかもインティメイトなギター伴奏とくれば、そのデリケートさも一段とアップされるはず。共演は実力派・朴葵姫。歌の伴奏を弾くのは初めてだという彼女とのフレッシュなコミュニケーションが、「水車小屋」らしい青年の歌を紡ぎ出すにちがいない。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2017年12月号から)

2018.4/7(土)17:00 Hakuju Hall
2017.11/25(土)発売
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/