第2回 オペラ歌手 紅白対抗歌合戦 〜声魂真剣勝負〜

ディーヴァ&ディーヴォたちの華麗なる戦い!


 大晦日のあの国民的歌合戦の向こうを張って、『第1回 オペラ歌手 紅白対抗歌合戦 〜声魂真剣勝負〜』が開かれたのは昨年9月。初開催にもかかわらず、若手からベテランまで日本を代表する歌手たちが出場し、紅組と白組各13人ずつに分かれて真剣勝負を繰り広げた。審査員は客席の観客たち(客席票の集計に、あちらの国民的歌合戦と同じ麻布大学野鳥研究部を起用する洒落もお見事!)。結果は紅組に軍配が上がり、見事初代勝者に輝いた!
 という、かなり盛り上がった内容だったことを後から知った。その場にいなかったのがかえすがえすも残念無念。以前、客席の拍手の大きさで勝者を決めるコンクールというのもあったが、そうやって直接参加できるのはやはり楽しい。たぶん、普段オペラやコンサートに出かけない人でも十分に楽しめるはずだ。なにより、演奏内容の豪華さが誰にも明らかだろうから。
 その熱狂が今年も帰ってくる。しかも開催日が12月4日と、あちらの国民的歌合戦に大幅に近づいた。もしかして本気で大晦日開催を狙っている(?)のだろうか。どうしてこんなに面白がっているのかをわかっていただくには、まずは、出場歌手の顔ぶれを挙げるのが手っ取り早い。今年の出場歌手は以下のとおり。(S=ソプラノ、Ms=メゾソプラノ、T=テノール、Br=バリトン、Bs=バス)

【紅組】
ソロ出場:腰越満美、佐藤美枝子、砂川涼子、半田美和子、大倉由紀枝(以上S)、桜井万祐子Ms
二重唱:鷲尾麻衣S&小林由佳Ms
    緑川まりS&谷口睦美Ms
三重唱:森谷真理S&嘉目真木子S&鳥木弥生Ms

【白組】
ソロ出場:笛田博昭、藤田卓也、村上敏明(以上T)、キュウ・ウォン・ハン、須藤慎吾(以上Br)、妻屋秀和Bs
二重唱:小原啓楼T&成田博之Br
    岡本知高(ソプラニスタ)&彌勒忠史(カウンターテナー)
三重唱:望月哲也T&ヴィタリ・ユシュマノフBr&ジョン ハオBs

 所属カンパニーの枠を超えて、旬の歌い手が一堂に会する。指揮は紅組が田中祐子、白組が村上寿昭で、管弦楽は東京シティ・フィル。司会はピアニストの本田聖嗣が務める。
 ご覧のように出場者は一線で活躍する実力者揃い。このような人気・実力派の歌手と指揮者たちが“真面目にちゃんと遊ぶ”。こういうのはいい! 主催者は、「クラシック音楽界の年間の恒例行事として定着させたい」と意気込む。近い将来、この歌合戦への出場がオペラ歌手の人気のバロメーターになり、噂が噂を呼んで、海外からも大勢の歌手が押し寄せるなんていうことになるのかもしれない。そうなった時、「私はごく初期から観に行ってましたけど、今さらなにか?」と事情通っぽく自慢するためにも、昨年行き損なった人は、今年こそサントリーホールに駆けつけなければならない! かくいう私も、誰か誘って楽しみに行くぞ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2017年11月号より)

2017.12/4(月)18:30 サントリーホール
問:テンポプリモ03-3524-1221
http://www.operaconcert.net/