デビュー30周年はオリジナリティ満載のプログラムで
ミューザ川崎シンフォニーホールのホールアドバイザーとして活躍し、多彩な企画・演奏で楽しませてくれるピアニストの小川典子。5回目を迎える『Noriko’s Day』もそのひとつだ。これまでも自身の演奏を中心に、ファミリーも楽しめるプログラムを組んできたこのシリーズだが、今年はデビュー30周年および浜松国際ピアノコンクールでの審査委員長就任を記念したリサイタルで、充実した演奏を聴かせてくれる。
そのプログラムは、長くイギリス在住である小川ならではの「英国国歌『ゴッド・セイヴ・ザ・キング』による7つの変奏曲」(即興演奏を得意としたベートーヴェンの、隠れた注目曲!)にはじまり、パッションあふれる演奏が期待できる「熱情」ソナタ、そしてピアニズムの頂点を宣言するかのようなリストのピアノ・ソナタも。さらには2015年の浜松ピアノコンクールで第2次予選課題曲だった「イルミネイテッドベイビー」の作者、山根明季子をゲストに迎え、プレトークと同曲の演奏を。タイトルだけでも目を引く作品を次々に発表している山根だが、新感覚の音楽に対する演奏のヒントや、現代の音楽に対する小川のアプローチなどが聞けるかもしれない。
終演後には、小川が選んだアマチュア・ピアニストたちによるミニ・コンサート、そしてホワイエでは仮装OKのハロウィーン・パーティーも。1日を音楽で遊ぶ! という気分でミューザ川崎へ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2017年10月号より)
2017.10/21(土)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
http://www.kawasaki-sym-hall.jp/