リラックスしながら話題の新人の演奏を満喫
2009年日本音楽コンクール優勝、そして14年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールで第2位に入賞し、鮮烈にその名を知らしめたヴァイオリニスト青木尚佳が、Hakuju Hallの人気シリーズに登場する。まだ20代半ばながら、卓越した技巧、凛とした佇まいに熱意のこもった表現で聴く人を魅了する青木。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース修了後、11年から英国王立音楽大学・大学院で研鑽を積みながら、国内では既にN響、東響、大阪フィルなどとの共演やリサイタルなどの公演を重ね、確かな歩みを続ける期待の逸材だ。
10月の公演は、フランスで学び内外の演奏家の信頼も厚い中島由紀のピアノを得ての、R.シュトラウスのソナタをメインとしたプログラム。その前にはモーツァルト、クライスラーの小品にR.シュトラウス《ばらの騎士》のワルツと、ウィーンの粋を聴かせる有名曲が並ぶのも心憎い。ゆったりしたリクライニング・シートで、青木の華麗な名技とともに、ふたりの醸すヨーロッパの空気を味わう1時間となる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2017年9月号より)
2017.10/4(水)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/