歴史を誇る2大名門オーケストラの醍醐味
この秋、横浜みなとみらいホールにヨーロッパから2つの名門オーケストラがやってくる。
ひとつは250年以上の歴史を誇るライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。歴代のカペルマイスター(楽長)にはフルトヴェングラーやニキシュといった伝説の名指揮者たちに加えて、大作曲家メンデルスゾーンも名を連ねる。今回の公演で指揮を務めるのは名誉指揮者であるヘルベルト・ブロムシュテット。今年90歳を迎える、日本でも人気の高い巨匠である。さらにソリストとして世界最高峰のひとりであるヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスが加わる。これ以上はないというほどの完璧な布陣が敷かれた。
曲はブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレート」。どちらも同楽団が初演したゆかりの名曲であり、この楽団だからこそ意味のある選曲だ。
もうひとつのオーケストラはウィーン交響楽団。こちらもR.シュトラウスやフルトヴェングラー、カラヤンといった大指揮者を迎えてきた歴史を誇る。今回は現・首席指揮者フィリップ・ジョルダンとともに来日する。パリ国立オペラの音楽監督も兼任する今もっとも勢いのある指揮者のひとりである。
プログラムはベートーヴェンの交響曲第5番「運命」とマーラーの交響曲第1番「巨人」。メイン・プログラムになりうる2曲を一度に聴けるというぜいたくな公演だ。オーケストラを聴く醍醐味を味わいたい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2017年8月号より)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2017.11/9(木)19:00
ウィーン交響楽団 2017.11/26(日)15:00
横浜みなとみらいホール
問:横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000
http://www.yaf.or.jp/mmh/