カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)

自在に紡がれる美しきピアノ・ワールド

C)Julia Wesely

 天衣無縫とはまさにこのことだ! そう思わせるのが、カティア・ブニアティシヴィリ。1987年ジョージア(グルジア)生まれの美貌のピアニストである。6歳でソリストとしてデビュー。ウィーン国立音大でマイセンベルクに師事し、ホロヴィッツ国際、ルービンシュタイン国際等のコンクールで入賞後は、プレトニョフ、アシュケナージ、チョン・ミョンフン等の指揮者や、パリ管、イスラエル・フィル、フィラデルフィア管、ミュンヘン・フィル等と共演し、リサイタルや室内楽でも世界的に活躍している。特にパーヴォ・ヤルヴィの信頼が厚く、たびたび共演。クレーメルやアルゲリッチからも才能を認められ、彼らが主宰するアンサンブルや音楽祭でも光を放っている。ソニー・クラシカルからリリースした、リストやショパン、そして個性的な小品集『マザーランド』なども注目の的。クレーメルとの共演をはじめ日本でも公演を重ね、2016年にはパーヴォ・ヤルヴィ&N響とのシューマンの協奏曲でインパクトを与えた。
 その演奏は、驚異的な技巧で軽やかに駆け抜け、エモーショナルな感情を爆発させたかと思えば、あえかな弱音で柔らかく歌う。とにかく全てがスリリング。絶妙なタッチと淀みない流れで作品に生気を与える彼女の“ワールド”は、聴衆の耳目をいやがおうにも惹きつける。
 今回のリサイタルは、ベートーヴェンの「熱情」ソナタ、リストの「スペイン狂詩曲」、チャイコフスキー、ストラヴィンスキーのバレエ音楽の編曲が並んだ、類のないプログラム。「熱情」がいかように表現されるのか? CDにも収められた「展覧会の絵」等で衝撃を与えたロシアものがどのように響くのか?…ともかく足を運ばないことには始まらない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2017年8月号より)

2017.11/6(月)19:00 サントリーホール
問:ミュージックプラント03-3466-2258 
http://www.mplant.co.jp/

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