二大都市に楽器づくりの“匠”たちが見参
ヤマハ吹奏楽団を知らない吹奏楽ファンはいないだろう。1961年に創設された“職場バンド”の老舗であり、全日本吹奏楽コンクールにおいて全部門最多33回の金賞受賞を誇る超実力派。浜松を拠点にした演奏活動のほか、60を超える新曲委嘱の功績も光っている。メンバーはヤマハで管楽器などの設計や製作に従事。中には自ら製作した楽器を吹く団員もいるなど、ある意味プロ以上にプロフェッショナルな“匠の集団”であり、2007年、世界的サクソフォン奏者・須川展也が常任指揮者に就任後は、表現力もさらに向上している。そうした中、同楽団は2015年度よりコンクール参加と大都市公演開催を隔年に計画する方針を打ち出し、後者にあたる今年は東京と大阪で特別公演を行う。
演目はA.リードやC.T.スミスの有名曲からポピュラーの大定番曲まで、おなじみの作品ばかり。加えて須川のソロもある。特に東京公演は7年ぶりだけに逃せない機会。抜群のプロポーションと重層感をもったサウンドで奏される名曲を、老若男女こぞって楽しみたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2017年7月号から)
9/2(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
10/1(日)14:00 ザ・シンフォニーホール
問:ヤマハ吹奏楽団事務局053-460-2721
http://www.yamaha.com/ja/symphonic_band/