1498年の創設以来、今日でも数多の少年(少女)合唱団の中で抜群の人気と実力を誇るウィーン少年合唱団。10〜14歳からなる約100名のメンバー全員がアウガルテン宮殿で生活し、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナーとゆかりのある作曲家の名がついた4つのグループに分かれ、毎年そのうちのひとつが世界中でコンサート・ツアーを行うことで知られている。
日本にも1955年以来頻繁に訪れては音楽ファンを魅了し、近年では史上初の全4グループ合同演奏によるチャリティ公演を実施。東日本大震災の被災地支援を行ったのも記憶に新しい。
さて2017年はモーツァルト組が来日し4〜6月にかけて全国各地を巡回。このうち東京では全6日間でA・Bそれぞれのプログラムを3公演ずつ演奏予定だ。気になる曲目だが先ずプログラムAは名曲セレクション。グレゴリオ聖歌に始まりバロックから現代まで宗教曲を中心とした選曲の第1部では、やはり組の名前であるモーツァルトのカンタータ「無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが」が聴きどころ。第2部の〈ソーラン節〉や〈ふるさと〉等日本語歌唱も楽しみだ。対するBは「世界の旅」と題したプログラム。こち
らの第1部では《カルメン》や《エジプトのジュリアス・シーザー》等オペラからも選曲。第2部では地元オーストリアの民謡から映画『メリー・ポピンズ』のナンバーや黒人霊歌まで大西洋を越えて旅し、〈花は咲く〉も。できれば両プログラムともぜひ!
文:東端哲也
(ぶらあぼ 2017年4月号から)
5/3(水・祝)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
5/4(木・祝)14:00、6/16(金)13:30、6/17(土)14:00、6/18(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
6/7(水)19:00 文京シビックホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
※上記および全国公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.japanarts.co.jp/wsk2017/