スターダンサーズ・バレエ団 『バランシンからフォーサイスへ 近代・現代バレエ傑作集』

二大巨匠の魅力溢れるトリプル・ビル

 1965年の創設以来、20〜21世紀の振付家による秀作を果敢に取り上げ、バレエの地平を広げてきたスターダンサーズ・バレエ団が、同団らしさ満載のトリプル・ビル『バランシンからフォーサイスへ 近代・現代バレエ傑作集』を上演する。
 日本のバレエ団による初演となるのは、ウィリアム・フォーサイスの『N.N. N.N.』。バレエのボキャブラリーを予想もつかない構文で組み立て、世界を驚かせた鬼才が2002年に創作した作品。4人の男達がせめぎ合い、フォーサイス御用達の作曲家トム・ウィレムスの音楽とともに斬新なリズムを刻んでいく。フォーサイス・カンパニーのメンバーだった安藤洋子と島地保武が振付指導にあたり、年々、層の厚さを増している男性団員の踊りに磨きをかける。
 同団の十八番、ジョージ・バランシンのレパートリーからは二作品がお目見えする。
 チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に振り付けた『セレナーデ』は、1930年代に渡米したバランシンが、初めてアメリカで手がけた作品。古典バレエの一節のように見えても、刻々と隊形を変える群舞の躍動感と颯爽としたスピード感が、いかにもアメリカンな味わいだ。
 カウボーイとそのガールフレンド達が乱舞する『ウェスタン・シンフォニー』も、正統派アメリカン・バレエ。古典バレエを模したパ・ド・ドゥあり、強気な姉御のソロありの、底抜けの楽しさを見せてくれる。
 バランシンやフォーサイスを経てバレエの概念が拡大したことを、さらには同団ダンサーの演技の幅広さを実感できるだろう。
文:上野房子
(ぶらあぼ 2017年2月号から)

3/25(土)18:00、3/26(日)15:00 東京芸術劇場 プレイハウス
問:スターダンサーズ・バレエ団03-3401-2293
http://www.sdballet.com/

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