漲る生気で“弦の国”の新時代を担う
パヴェル・ハース・クァルテットは、間違いなく今もっとも聴くべき弦楽四重奏団の一つだ。20世紀チェコの悲劇の作曲家名を冠した彼らは、2004年からプラハを拠点に活動。05年に同分野の頂点の一角“パオロ・ボルチアーニ賞”国際弦楽四重奏コンクールで優勝後、世界各地でセンセーションを巻き起こし、グラモフォン誌の2011年度レコード・オブ・ザ・イヤーも獲得するなど、高い評価を得ている。その演奏は、ダイナミックで躍動感に溢れ、濃密かつ緻密で鮮度抜群。最強のアンサンブル力とエネルギーを併せもった驚異のグループである。今回の来日では、09年にいち早く公演を行ったトッパンホールに7年ぶりに登場。ペルト、バルトーク、スメタナという、各国の激動の中で筆をとった東欧作曲家の代表作を披露する。いずれも民族色と斬新さが交錯した、当クァルテットの持ち味がフルに発揮される音楽。中でもスメタナの「わが生涯より」は、自国の看板曲にして昨年鮮烈なCDを出した旬の演目だけに期待は大きい。ともかく万人必聴!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2016年12月号から)
12/7(水)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/