アヌ・タリ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン「第九」特別演奏会

美貌とカリスマ性を兼ね備えた話題の指揮者が登場

アヌ・タリ ©2004 Warner Classics. Photo:Chris Dunlop

アヌ・タリ ©2004 Warner Classics. Photo:Chris Dunlop

 いよいよ「第九」の季節が到来。日本独自の風習として定着した暮れの「第九」だが、毎年さまざまな顔ぶれの指揮者による「第九」を聴き比べることができるのだから、考えてみればずいぶんとぜいたくなことである。
 今年の「第九」のなかで、フレッシュさという点で特に目をひくのはアヌ・タリ指揮東京フィルによる「第九」。エストニア出身の女性指揮者アヌ・タリの来日は久しぶりではないだろうか。美貌の指揮者として話題を呼んだアヌ・タリだが、自ら創設したノルディック交響楽団の首席指揮者を務め、レコーディングではECMレーベルで母国の作曲家トゥールの作品集を録音したり、2013年からはフロリダのサラソータ・オーケストラ音楽監督に就任するなど、着実にキャリアを積み重ねている。一段と経験を積んだアヌ・タリの今を聴く好機が訪れた。小川里美、向野由美子、宮里直樹、上江隼人の独唱陣に東京オペラシンガーズの合唱が共演する。どんな「第九」が誕生するのか、大いに期待したい。
 なお、「第九」と合わせて演奏されるエッレルの「夜明け」も興味深い作品だ。エッレルの名は日本ではなじみが薄いが、母国では「現代エストニア音楽の父」と称えられる作曲家である。小品ながらワーグナーやR.シュトラウスを思わせるような豊麗な響きで彩られた秀作であり、新鮮な喜びをもたらしてくれることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2016年12月号から)

12/17(土)、12/18(日)各日19:00 サントリーホール
12/22(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
12/25(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522
http://www.tpo.or.jp/

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