ウィーン国立歌劇場2016年 開幕記者会見

 翌日の開幕を控えた10月24日、ウィーン国立歌劇場日本公演の記者会見が行われました。
(2016.10.24 東京文化会館大ホール 取材・文:吉羽尋子 Photo:J.Otsuka/TokyoMDE)

 出席者はウィーン国立歌劇場総裁のドミニク・マイヤーはじめ、開幕演目《ナクソス島のアリアドネ》の指揮者マレク・ヤノフスキほか4人の歌手たちグン=ブリット・バークミン、ダニエラ・ファリー、ステファニー・ハウツィール、ステファン・グールド。

この記者会見は、《ナクソス島のアリアドネ》の舞台上で行われるという趣向で、「オペラ」の場面で舞台後方に置かれた椅子に記者たちが座るというかたちで行われました。

この記者会見は、《ナクソス島のアリアドネ》の舞台上で行われるという趣向で、「オペラ」の場面で舞台後方に置かれた椅子に記者たちが座るというかたちで行われました。

 まず、マイヤー総裁が、300人以上来日することは、ウィーン国立歌劇場にとっても大切なものであること。また、日本公演開催中もウィーンでの公演は行われているので、今月(10月)の公演は40回にのぼると、挨拶。

 続いてマエストロ・ヤノフスキは、長く母音をのばして歌わなければならないバッカス、低音から高音までが要求されるアリアドネ、コロラトゥーラの技巧に加えカンタービレで歌うことが求められるツェルビネッタなど、いずれも難役であるこれらに、素晴らしいキャストが揃ったと、前日までの稽古を通して得た感触を語りました。さらに、この作品のオーケストラが36名という小さい編成であることは、即ち奏者の全員がソリストとして演奏しなければならない、ウィーン国立歌劇場のオーケストラメンバーの深い経験が、それを可能にしている、ときっぱりとした口調からは確固たる自信がうかがわれます。

 歌手たちがそれぞれに挨拶をした後、記者からは今回の上演に、《ナクソス島のアリアドネ》と《ワルキューレ》はベヒトルフによる比較的新しい演出である一方、《フィガロの結婚》はかなり前につくられたポネル演出であることについて、ウィーン国立歌劇場としての考え方が問われました。

 マイヤー総裁は、まず、演出家ベヒトルフは自身が俳優であることもあり、人物の心理描写に巧みであることから、理性的な部分と感情的な部分をうまく取り入れる演出をする点が優れていると語り、演出だけが先行するような、いわゆる現代の演出のスタイルというものがどこまで作品の本質を描けるかということには問題があると思っていると続けました。そしてさらに、プロの人たちの評価とお客さんたちの評判は、必ずしも一致しないことが多いが、今回上演する《ナクソス島のアリアドネ》については、それが一致して好評を得ているものであることも紹介されました。

ステファニー・ハウツィール

ステファニー・ハウツィール

ダニエラ・ファリー

ダニエラ・ファリー

ステファン・グールド

ステファン・グールド

グン=ブリット・バークミン

グン=ブリット・バークミン


左より)ドミニク・マイヤー(ウィーン国立歌劇場 総裁)、ステファニー・ハウツィール、マレク・ヤノフスキ グン=ブリット・バークミン、ダニエラ・ファリー、ステファン・グールド

左より)ドミニク・マイヤー(ウィーン国立歌劇場 総裁)、ステファニー・ハウツィール、マレク・ヤノフスキ
グン=ブリット・バークミン、ダニエラ・ファリー、ステファン・グールド

《ナクソス島のアリアドネ》 
10/25(火)19:00、10/28(金)15:00、10/30(日)15:00 東京文化会館
《ワルキューレ》 
11/6(日)、11/9(水)、11/12(土)各日15:00 東京文化会館
《フィガロの結婚》 
11/10(木)17:00、11/13(日)15:00、11/15(火)15:00 神奈川県民ホール
問:NBSチケットセンター03-3791-8888
http://www.nbs.or.jp