アリサ・ワイラースタイン(チェロ) 〜バッハと20世紀 無伴奏の夕べ〜

超絶技巧とスケールの大きな表現を味わう

©Jamie Jung
©Jamie Jung
 「バレンボイムの秘蔵っ子」と謳われてメジャー・レーベル・デビューを果たし、世界の檜舞台で活躍を続けるチェリスト、アリサ・ワイラースタインが、この11月に無伴奏によるリサイタルを開く。
 チェリストが無伴奏のリサイタルを開くとなれば、なんといっても注目したいのはそのプログラム。ヴァイオリンと比べるとレパートリーが限られている分だけ、工夫のしがいがある。聖典といえるのはバッハの無伴奏チェロ組曲。ワイラースタインはこの定番からは第3番ハ長調のみを選択。これにブリテンのテーマ 「ザッハー」、ゴリホフの「オマルアムール」、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタを組み合わせた。20世紀から現代の作曲家の割合が多いが、前衛的で難解な作品は見当たらず、むしろ新鮮さを楽しめるのではないだろうか。ワイラースタインの超絶技巧とスケールの大きな表現力をたっぷりと堪能したい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2016年10月号から)

11/8(火)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター 03-3567-9990
http://www.ojihall.jp

他公演
11/13(日)三鷹市芸術文化センター風のホール(0422-47-5122)