“ダンス”に変容するジャグリング
強い身体性と高い芸術性で、世界で注目を集めるコンテンポラリー・サーカス。
今年ジャグリング用のお手玉とパンツ一丁で振付のコンペティションに登場し、ダンス界の皆さんを大きくどよめかせたのが渡邉尚だ。ケモノのような強靱で柔軟な筋肉、しかも球は投げ上げられることなく身体と床をつなぐメディアとして(「フロア・ジャグリング」と名づけられた画期的なスタイルだ)みごとに「ダンス」にしてみせた。
その渡邉が共にカンパニー「頭と口」を立ち上げた相手が山村佑理である。若くしてジャグリングの世界では知らぬ者なしの頭角を現し、今年フランスのエリート・サーカス学校を卒業した。殺気を含んだ技術の高さはフランスでも折り紙付き。この二人が満を持して新作に挑む。
カンパニーの旗揚げ2作目にしていきなりKAATで公演というのも、なかなかの抜擢ぶりだ。初演はそれぞれのソロだったので、今回は二人がガッツリと組んで創る初めての作品となる。
新しい舞台芸術が生まれる瞬間を見逃すな!
文:乗越たかお
(ぶらあぼ 2016年11月号から)
11/5(土)18:00、11/6(日)15:00
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kaat.jp