レ・ヴァン・フランセ

驚異的なアンサンブルが作品に命を吹き込む

©wildundleise.de/Georg Thum

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 現代最高の名手たちがそろった管楽器のドリームチーム。今年もレ・ヴァン・フランセが来日して妙技を披露してくれる。フルートのエマニュエル・パユを筆頭に、クラリネットのポール・メイエ、オーボエのフランソワ・ルルー、ホルンのラドヴァン・ヴラトコヴィチ、バソン(フランス式バスーン)のジルベール・オダン、ピアノのエリック・ル・サージュといった豪華な顔ぶれが集結する。
 レ・ヴァン・フランセを聴く楽しみはふたつある。ひとつは驚異的な演奏水準の高さ。一人ひとりのテクニックが恐ろしく高く、おまけにアンサンブルとなったときに全体の音色が緻密にコントロールされており、レ・ヴァン・フランセでしか聴くことのできないサウンドが生まれてくる。しかも彼らは単に完璧さを求めているわけではない。とりわけパユの演奏に常に感じることだが、演奏する喜びと情熱にあふれ、作品に没頭して音楽に命を吹き込む。まさにその瞬間に作品が誕生したかのような生々しさがある。
 もうひとつの魅力はレパートリーの新鮮さ。彼らは既存名曲を安易に木管五重奏用に編曲したりはせず、オリジナルの形で演奏可能な曲を選び、ときには現代作品も果敢にとりあげる。今回も1948年生まれの作曲家フィリップ・エルサンがレ・ヴァン・フランセのために書いた「六重奏曲」が日本初演される。さらにベートーヴェン「五重奏曲 変ホ長調」、マニャール「五重奏曲 op.8」、そして得意のプーランク「六重奏曲」が演奏され、実に多彩だ。エキサイティングな一夜になるはず。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2016年8月号から)

10/24(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
https://www.japanarts.co.jp
※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。