現代と古典が“共鳴”する
フランスのパリとリヨン、両名門音楽院で優秀な成績を収めた4人の名手により、1996年に創設されたディオティマ弦楽四重奏団。ルイジ・ノーノの弦楽四重奏曲の佳品に由来するグループ名を掲げて、ドイツのヘルムート・ラッヘンマンや日本の細川俊夫ら第一線で活躍する作曲家たちと密接な関わりを持ちつつ、ポルトガルのエマヌエル・ヌネス、イギリスのジェイムズ・ディロンら世界的作曲家へ新作を委嘱するなど、現代作品の紹介に力を注ぐ。その一方、ベートーヴェンやシューベルトなど、古典作品も重要視。コンサートでは、現代と古典の両作品を組み合わせる独特のプログラミングで、世界の室内楽シーンをリードするグループの一つとして、その一挙手一投足が常に注目を集めている。今回の第一生命ホールでのステージでは、シェーンベルクの弦楽四重奏曲第1番とブーレーズ「弦楽四重奏のための書」から1a・1b(改訂版)に、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番を“共鳴”させてゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年8月号から)
9/3(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
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