清水和音(ピアノ)・横坂 源(チェロ)・吉田 誠(クラリネット) Mostly Brahms! ブラームス室内楽の極み

達人と気鋭が至高の名品で初コラボ

 30余年第一線に立つ日本屈指のピアニスト・清水和音は、室内楽の稀代の名手でもある。共演者を引き立てながら個の光を放つピアノは絶妙の一語。何より音楽に生彩をもたらす点で比類がない。そんな彼が、チェロの横坂源、クラリネットの吉田誠と共に、ブラームスの室内楽を披露する。2010年に難関のミュンヘン国際コンクールで第2位を受賞し、内外で幅広い活動を続ける横坂、サイトウ・キネン・フェスティバル松本では「兵士の物語」に11年から4年連続で出演し、『トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン』でウィーン・フィルのメンバー等とも共演している吉田は、いずれも伸びやかな音楽性と表現意欲溢れる俊英ソリストだ。若き日の哀愁と力感こもるチェロ・ソナタ第1番、最晩年の澄明な心象を映すクラリネット三重奏曲にクラリネット・ソナタ第2番という、作風が対比されたプログラムも聴き応え十分だ。09年からトッパンホールで『ブラームス・プロジェクト』を展開した清水の練達のピアノのもとで俊才が謳歌するロマンを、ぜひライヴで味わおう。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

3/12(土)16:00 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
問:かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233
http://www.k-mil.gr.jp