秋元万由子(フルート) & 西村 優(ピアノ)

新生代の名手たちが醸し出すヨーロッパの香り

 “フルートの世界三大コンクール”のひとつ、ミュンヘン国際音楽コンクールで昨年、特別賞「アリス・ロスナー賞」を受賞した秋元万由子。そして、その折に伴奏を務め、受賞に大きく貢献したピアノの西村優。そんな2人が再び顔を揃え、珠玉の名曲を披露する受賞記念のリサイタルを開く。音楽界の未来を担うミューズたちが紡ぐ調べは、聴く者の心に、きっと素敵な“何か”をもたらすはず。
 秋元は高校時代に米留学を経て渡独し、ユンゲ・ドイチュ・フィルハーモニー管のメンバーとして活躍の一方、現在はスイスのルツェルン音楽大学で研鑽を積む。対する西村は高校卒業直後に渡伊し、その後ドイツのミュンヘン国立音楽・演劇大に学んで、現在は同地を拠点に演奏活動を続ける。共に10代で海外へと渡り、現地の習慣を含めた文化を吸収。何より、クラシック音楽が生まれた地の言葉を話し、実際に生活することで、「間の取り方やアクセントの付け方、フレージングなど、根本的な“音楽の創り方”が変わった」と言う。
 今回のステージは、シューベルト「『しぼめる花』の主題による序奏と変奏曲」と、20世紀フランスのジョリヴェ「リノスの歌」が軸に。「どちらも“うた”にインスピレーションを得て、作られた曲。歌詞がない分、曲の情景や心情に縛られないので、聴く方には自由に想像を膨らませていただければ」と秋元。ここへ、いわゆる『アウエルンハンマー・ソナタ集』中の1曲である、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第34番のフルート編曲版などが添えられる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

3/26(土)14:00 ヒストリア宇部 イベントホール
3/28(月)19:00 ドルチェ・アートホール Nagoya
3/31(木)19:00 MUSICASA(代々木上原)
問:ムジカキアラ03-6431-8186
http://www.musicachiara.com