上岡敏之(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

2大作曲家の“第1番”

上岡敏之 ©大窪道治

上岡敏之 ©大窪道治

 2016年の9月、新日本フィルの新しいシーズン開幕に伴い音楽監督に就任する上岡敏之。ドイツの歌劇場やオーケストラで実績を積み上げ、音楽監督を務めているヴッパータール響の来日公演や国内オーケストラへの客演時には、スコアを再検証し、作品に新たな光を当てるような演奏を聴かせてくれた。昨年の年末も読響の「第九」公演を指揮し、予想だにしなかった快速テンポで繰り出される衝撃的な演奏で話題をさらったばかりだ。その上岡が、音楽監督就任を発表してから初めて新日本フィルの指揮台に立つとあっては、これからを占う公演として聴き逃すことはできないだろう。
 サントリーホール定期で演奏される曲は、シューベルトの交響曲第1番とマーラーの交響曲第1番。どちらも若さを放出するような音楽であり、春の香りが漂ってきそうな3月中旬にふさわしい。シューベルトの作品は16歳のときに書かれた習作であるものの、聴いてみるとハイドン、ベートーヴェンからの流れを確実に感じさせる曲。初めて聴く方は「なぜ、こんなにいい曲が演奏されないのだろう」と、疑問に思うかもしれない。マーラーは指揮者にとってもオーケストラにとっても、名刺代わりに相応しい作品。上岡の個性的な音楽作りと、それを受けてヴィヴィッドに反応する新日本フィルが、はたしてどのようなマーラーを聴かせるのか。新時代を迎えるプレ・コンサートとして、期待満載の一夜である。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から) 

#556定期演奏会
3/16(水)19:15 サントリーホール 
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp

他公演
3/17(木)倉敷市民会館(くらしきコンサート086-422-2140)
3/18(金)ザ・シンフォニーホール(リバティ・コンサーツ06-7732-8771)