クラシック音楽で「識字能力の向上」に貢献
創業以来、印刷事業を中心に情報・文化の発展に寄与してきた凸版印刷株式会社。印刷博物館やトッパンホールを軸とした社会文化貢献活動をはじめ、企業の社会的責任を果たすために幅広い活動を展開し、2006年には国連が提唱する「グローバル・コンパクト」への参加・支持を表明。よりグローバルな視点に立った活動を行う中で、国際社会の課題である「識字」に着目し、「識字能力の向上」を支援するチャリティーコンサート(寄附金が主にアジアの途上国における識字教育支援に役立てられる)を08年より開催している。
第9回となる今回は、ピアノの仲道郁代(3/10)、ヴァイオリンの吉田恭子(3/12)(共演:鈴木慎崇/ピアノ)が出演する2公演を開催。両者は共に幅広い演奏活動、メディアへの出演と共に、近年ではチャリティーやアウトリーチの活動にも力を入れており、この企画にこれ以上ない適任者だ。極上の響きをゆったりとした空間で堪能できるトッパンホールで、仲道はショパンの「バラード第1番」をはじめ、「別れの曲」や「革命」といった練習曲、リストの「メフィスト・ワルツ第1番」やベートーヴェンの「月光」ソナタなど、物語性の強い作品を演奏。彼女の抒情的な音楽性を最大限に活かした選曲だ。吉田も「ツィゴイネルワイゼン」や「チャールダッシュ」といった情熱的な作品や、「タイスの瞑想曲」やベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」といった情感豊かな作品を選曲。彼女の幅広い表現力を堪能できることであろう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)
仲道郁代 3/10(木)19:00 吉田恭子 3/12(土)14:00
トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppan.co.jp/charityconcert