古典的名作を満を持して上演
谷桃子バレエ団が新春公演で『眠れる森の美女』全幕を上演し、2016年の幕開けを飾る。
1949年の創設以来、初めてこの不朽の古典バレエを制作するにあたり、キーロフ・バレエ(現マリインスキー)の往年のプリマ、イリーナ・コルパコワを監修者に迎え、同じく元キーロフのエルダー・アリエフに改訂振付を託した。同団が2015年3月に『海賊』全幕を初上演した際にも指導にあたり、ダンサーの資質を熟知したコンビである。ロシアを代表する舞台美術家、ヴャチェスラフ・オークネフが装置と衣裳をデザインすることも、本プロダクションの眼目だ。
本作の上演が正式に決定したのは15年の春先、奇しくも谷桃子が94歳で他界する直前のことだった。副題いわく「夢と未来を誓って愛を込めて谷桃子に捧ぐ」。総勢100名の出演者が一堂に会し、男女主役はトリプルキャストが組まれる。新旧世代が一丸となって臨む公演は、亡き創設者への何よりの餞(はなむけ)になることだろう。
文:上野房子
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)
2016.1/15(金)〜1/17(日) 東京文化会館
問:谷桃子バレエ団03-3717-7806
http://www.tanimomoko-ballet.com