佐藤俊介(ヴァイオリン/指揮)が第57回サントリー音楽賞贈賞式に登場!

 9月29日、2025年度のサントリー音楽賞および佐治敬三賞の贈賞式がサントリーホール ブルーローズで行われ、第57回サントリー音楽賞を受賞した佐藤俊介(ヴァイオリン/指揮)と、第25回佐治敬三賞受賞公演「Chronograffiti」の作曲を担った日野浩志郎らが登壇した。

左より:堤剛(サントリー芸術財団代表理事)、古館健(「Chronograffiti」ビジュアルエフェクト)、佐藤俊介、日野浩志郎、梶山正司(文化庁審議官)

 2025年度の受賞者/公演は今年の3月下旬に発表されていた。各賞の概要は以下の通り。

⚪︎サントリー音楽賞:わが国の洋楽文化の発展にもっとも功績のあった個人又は団体を顕彰、贈呈する。(賞金700万円)

⚪︎佐治敬三賞:わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演に贈られる。(賞金200万円)

 ヨーロッパを拠点に、ヴァイオリニスト・指揮者として古楽・モダンの垣根を超えた瑞々しい豊穣を音楽界にもたらし続けてきた佐藤。アムステルダム音楽院の教授として10年以上にわたりヒストリカル・ヴァイオリンを指導、さらに、コンチェルト・ケルンとオランダ・バッハ協会のコンサートマスターを歴任(後者は音楽監督も兼任した)。今年5月には演奏団体「PastForward Ensemble」の活動を始動させ、19世紀以降のロマン派の作品に「今この瞬間を生きる」音楽として新たな命を吹き込むことに心血を注いでいる。こうした枠にとらわれない多彩な取り組みが評価され、今回の贈賞へといたった。

 贈賞式当日には、東京交響楽団クリエイティブ・パートナーへの就任(2027年4月から3年間)も発表され、今後日本での活躍がいっそう期待される佐藤。スピーチでは、飾らない語り口で受賞の喜びを述べた。

「本日皆さまにお集まりいただいた、このブルーローズというホールは、私にとって特別な思い入れのある場所です。というのも、26年前の2000年6月、当時16歳だった私は、日本で初めての国内コンサートツアーをさせていただきましたが、その会場の一つがブルーローズだったのです。4歳から19歳になるまでずっとアメリカに住んでいた私は、年に一度夏休みに帰国する程度で、家庭内の言語は日本語であったものの、義務教育は100%“American”でした。そのため、当時は敬語を全く使うことができず、アンコールの曲名をアナウンスする際、客席に向かっていきなりタメ口で『みんな、聞こえる~⁉』と言ってしまい……お客さんは爆笑、来場していた父にも大恥をかかせ、後でとがめられた記憶があります(笑)。

 そんなデビュー当時のトンチンカンな私でさえ、この舞台で何かのスタート地点に立っているという意識はありました。ただ、まさか26年後、サントリー音楽賞の受賞者として再び同じステージに上がらせていただくとは夢にも思っていませんでした。そしてこの26年間、どれだけ多くの方に出会い、ご指導いただいたことか。私の未熟さや失敗も寛容に受け入れ、音楽家としての価値を信じてくださり、困難や迷いに遭遇した時に励ましてくださった、その一人ひとりのおかげで今の自分がここにいるのだと考えると、『今回の賞を受賞したのは実際のところ自分だけではない』ということを痛感しています。未来の展開を待つ“16歳のブルーローズの俊介くん”と同じように、本日の贈賞式も今の私にとって新たなスタート地点であるような気がしてなりません。この先どんな経験をし、どんな出会いが待っているのか、心から楽しみです」

贈賞式冒頭では記念演奏も。ビーバー「ロザリオのソナタ集」よりパッサカリアを披露し、演奏後は惜しみない拍手がおくられた。

 佐治敬三賞を受賞した「日野浩志郎新作音楽公演『Chronograffiti』」は、2025年7月下旬にクリエイティブセンター大阪内のBlack Chamberで上演。打楽器トリオもしくは和太鼓ソロと、最小限の照明というミニマルな手段ながら、音響と視覚(ビジュアルエフェクト:古館健)、さらには“大阪港に接した廃工場を改装した小ホール”という独自のロケーションを高度に統合、「その場の体験」としての圧倒的な完成度が贈賞につながった。

文・写真:編集部


サントリー音楽賞
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佐治敬三賞
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