
えっ、ホントに?と目を疑うような意外性のあるプログラムが実現する。この秋、都響を指揮するマルク・ミンコフスキが10月28日、29日に披露するのは、バーナード・ハーマン、ジョン・ウィリアムズ、バーンスタイン、ラヴェルを並べた映画音楽を中心とするプログラム。あるとき、ミンコフスキが「『スター・ウォーズ』を演奏したい。『めまい』の音楽も好き」と語ったことから組まれたという。もともと古楽の分野で名声を獲得したミンコフスキだが、都響ではブルックナーやチャイコフスキー、ビゼーといった19世紀の名曲を中心としたレパートリーに取り組んできた。そんなミンコフスキが『スター・ウォーズ』を指揮したいと言ってくれるとは! いったいどんな演奏になるのか、興味津々。
映画『めまい』組曲と映画『サイコ』組曲は、バーナード・ハーマンの代表作。ともにアルフレッド・ヒッチコック監督による名作だ。『サイコ』のシャワーシーンで流れる「殺人」はあまりに有名。ジョン・ウィリアムズの交響組曲『スター・ウォーズ』は、今や映画音楽の枠を超えて、オーケストラの新たなレパートリーに定着しつつある。壮麗なスペクタクルを堪能させてくれることだろう。バーンスタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニック・ダンス」は、ミュージカルから生まれた名曲。締めくくりはラヴェルの「ボレロ」で華やかに。これは映画、ミュージカル、バレエとたどる劇場の音楽集なのだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年10月号より)
マルク・ミンコフスキ(指揮) 東京都交響楽団
第1055回 定期演奏会 Cシリーズ(平日昼) 2026.10/28(水)14:00
都響スペシャル 10/29(木)19:00
東京芸術劇場 コンサートホール
問 都響ガイド0570-056-057
https://www.tmso.or.jp

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/

