10月4日、サントリーホールで「小澤征爾さんのお誕生日を祝う会」が行われた。この会は、「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2015」の無料公開リハーサル終了後に行われたもので、ウィーン・フィルからの申し出によるサプライズ・イベントだった。
この日のリハーサルを指揮したクリストフ・エッシェンバッハが、あたかも稽古が続いているかのようにベートーヴェンの交響曲第1番4楽章冒頭を指揮し始めると、突然フルート奏者が立ち上がり、「Happy Birthday to You」のメロディを演奏。それに続き、同曲のほか、ウィーンや小澤征爾に関連する作品、たとえばバーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」、J. シュトラウス「美しく青きドナウ」などをモチーフに「Happy Birthday to You」を随所に織り交ぜた曲で祝うという、粋な計らい。
演奏された作品は『Ein Geburztagstaendchen 〜 敬愛なる小澤征爾氏に捧げる誕生日のセレナード〜』と題し、作・編曲はウィーン・フィルの第1ヴァイオリン奏者で作曲家のエーリッヒ・シャガールが務めた。
演奏に続きアンドレアス・グロースバウアー楽団長がこれまでの小澤との友好的な協働に感謝しつつ「またいっしょに演奏したい」とリクエスト、返礼として小澤が「エグモント序曲」を全曲指揮した。
1年以上前からこの日の予定をあけておいてほしいと要請されていたという小澤は、イベント後に行われた囲み取材で「参ったね。80歳にもなると思ってもみないような事が起こる」と目を細めるなど喜びもひとしお。
また、これからの聴衆、音楽家を育てるためにも「子供のころから生の演奏に触れるのが大切。下手でも何でもいいから、何か楽器をやること。来年1月オープンするロームシアター京都でも小澤征爾音楽塾が『子どものためのオペラ』やりますけど、そういうのが大事」と語った。
小澤は来年10月、サントリーホール開館30周年記念事業の一環でウィーン・フィルを指揮する予定(シューベルト「未完成」ほかを指揮)となっている。
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